2月末、高校入試が終わりましたね。

私は某進学塾で早慶附属高校受験クラスの講師をしていますが、すべての受験生とそのご家族にドラマがありました。嬉しいことに、私の教えているクラスからは、早慶附属高校志望の子たち全員が、早慶附属高校に進学することになりました。本当におめでとうございます!このブログの読者さんたちはどうでしたか?

合格後、多くの親御様とお話をさせていただく機会がありました。そういったお話の中で、早慶附属高校に合格した子と親の関係性について、明確な共通点があることに改めて気付かされました。これは、これまで何度も感じてきたことであり、私が勤めている塾の講師内の共通認識です。

これから早慶附属高校合格を目指したいという子を持つ親御様に向けて、ぜひ目を通していただきたいです。逆に、もし今この文章を読んでいるキミが中学生だとしたら、すぐにこのページを閉じちゃってね。キミにはまだ早いから。

それでは、早慶附属高校合格者に見られる親子関係の傾向について、これまで100人以上の早慶附属高校進学者を教えてきた私が解説したいと思います。塾の人間という立場では絶対に言えない忖度なしの本音ですから、気分を害されるかもしれませんがご容赦ください。

干渉か放任か?

まず、早慶附属高校合格者の親は、子の勉強に対して干渉するべきか、それとも放任かということについて説明します。

結論から言うと、早慶附属高校合格者の親は、子の勉強に対して積極的に干渉しています。干渉の度合いが高ければ高いほど、成績は上位になる傾向があります。さながら、子
・親・塾の三位一体で進めていく中学受験のようなイメージです(その内容は後述するとおり大いに異なりますが)。これは早慶附属高校の上位に位置する筑駒・開成高校の合格者にも同様の傾向が見られました。

逆に、子の勉強にあまり関わらない親の場合、子の成績は上がりきらないケースが99.9%です。「高い月謝を払っているんだから塾がなんとかしてくれる。だから自分は口出ししない」という感覚の親の場合、早慶附属高校合格は極めて厳しいです。少なくとも、私はそのような親の子が早慶附属高校に合格した例を1度も見たことがありません。

ところで、このようなことは塾の立場としては口が裂けても言えません。そのようなことを話してしまっては、その塾の指導力が疑われてしまうからです。「お父様、お母様は何もしないでください。塾が全部面倒を見ますから!」などとどこの塾でも説明会などで言いますが、これは誇大広告みたいなものです。塾側の内心は真逆です。

この言葉を鵜呑みにして放任の姿勢を貫いた場合、その子は成績は伸び悩みます。ただ、親は放任なので塾側に圧力をかけてきません。塾側からすると、(実に嫌な表現ですが)いわゆる「お得意様」というわけです。このブログを読んでくださっている親御様は、絶対にそうならないでくださいね。

ちなみに、親の完全放任を本気で推奨する塾も多く存在します。そのような塾は、早慶附属高校受験では成果が出ていません。都・県立上位高校狙いの塾でしょう。

さて、それでは早慶附属高校合格者の親たちは、どのように子と関わってきたのでしょうか。

子の勉強に対する親の関わり方

早慶附属高校に合格するには、親が子の勉強に干渉すべきと書いてきました。早慶附属高校合格者の親にどのような傾向があるのか紹介します。

勉強を教える必要はあるか

真っ先に気になるのは、子の勉強を親が教える必要があるのかということではないでしょうか。

安心してください。これは不要です。むしろ、勉強内容については完全にスルーしてください。

親子間は感情的になりがち。「何度もやってるのになんでできないの!」というような気持ちになることでしょう。また、親の自己流の指導が入ったりすると、子がより一層混乱してしまうこともあります。親が子に勉強を教えることは、百害あって一利なしです。

「集団指導の塾だから、我が子の弱点をピンポイントに指導できないのではないか?」というお気持ちから親が子に教えてしまうというケースもあるかもしれません。そのお考えはよくわかりますが、それでも指導はやめてください。子は勉強嫌いになり、親子関係も悪化しますので。

子のために必ずしていただきたいこと

さて、ここからが本題です。子に対して勉強を教えないということであれば、親は何をすればいいのでしょうか。親御様にしていただきことは3つあります。

子は親の写し鏡だと認識する

まず1つ目。子は親の写し鏡であると認識していただきたいのです。つまり、子は親の言動をそのままコピーして成長するということです。

例えば、親が夕食後からずっとテレビを見ているとしたら、子はYouTubeや TikTokを見ていることでしょう。親が年がら年中スマホを弄っていたとしたら、子もスマホ中毒になるでしょう。親がリビングでゴロ寝をしていたら、子も自室で寝ているかもしれません。

実は、早慶附属高校受験クラスを担当していると、「子供が勉強しない」「いつも眠そうにしている」「ゲームとスマホを取り上げたら、漫画を読み始めた」など、子の勉強する姿勢に悩みを抱えている親御様がとても多かったです。

そのような時、私は「子は親の写し鏡である」というお話をしてきました。早慶附属高校合格後の親御様とのお話の中で、このアドバイスこそが合格の鍵になったと仰る方がたくさんいらっしゃいました。

なかには、子に勉強する姿勢を示すために、日常的にビジネス書を読むようになったというお父様、医療事務の資格を取得されたお母様、在宅でのお仕事を始められたお母様もいらっしゃいました。本当に素晴らしいと思います。

「またスマホしてるの?!」「いつまで寝てるの?」「宿題や復習は?」などと子に対して言う親は多いですよね。このように子に言う前に、自分自身は何をしているのかを一度考えてみるといいと思います。テレビを見ながら「勉強しなさい」では、子は反発や無視をしてくることでしょう。

言葉を選ばずに書きますと、遊び好きの親の子は遊び好きになり、怠惰な親の子は怠惰になり、神経質な親の子は神経質になり、勤勉な親の子は勤勉になります。そして、早慶附属高校には勤勉でなければ合格は厳しいと思います。

子への声掛けを欠かさない

思春期真っ只中の中学生との関係は、親としてとても難しいと思います。しかし、子への声掛けだけは絶対に欠かさないでいただきたいです。

心身ともに不安定な思春期の子は、孤独になりがちです。また、多くの悩みをかけることでしょう。そのような中で、極めて辛く厳しい早慶附属高校のための勉強をするのです。ひとりでは立ち向かえません。親の存在は、そのような子にとって大きな支えになります。

声掛けといっても、常にポジティブな言葉を発しましょうというわけではありません。思春期の子からしたら、ポジティブな声掛けしかしない親は、かなり気持ち悪く映ることでしょう。

私が言う声掛けとは、日常の挨拶や、子の変化に対するちょっとした一言です。「目の下にクマができてない?」「今日の前髪いいね!」「寒いね、それちょっと薄着じゃない?」など、ごく普通の話です。これにより、気に掛けられているということが子に伝わります。

私が勤めている塾では、全生徒への声掛けを徹底しています。褒める、ではなくて声掛けです。これだけで、生徒たちは気に掛けてもらえてると感じ、塾が心地良い居場所になります。

実際、私の担当する早慶附属高校受験クラスは、とても和気藹々とした雰囲気です。まるで、親戚全員が集まる田舎のお正月のような和やかさがあります。学校のクラスや部活よりも楽しいという生徒の声がとても多いです。厳しい受験勉強もみんなで乗り切ろうという一体感があります。こういった日々の声掛けが奏功しているのだと思います。ご家庭でも是非。

塾にすぐ相談する

早慶附属高校合格者の親御様は、とにかく頻繁に連絡をくださいます。塾内テスト、模擬試験、学校の定期テストの対策や結果について、逐一ご連絡くださる方も多いです。

このような親御様は本当にありがたいです。私たち塾側が知りたいことは、生徒に関するあらゆる情報であり、それらをもとに指導内容を微修正できるからです。

私が知る限り、どの塾も生徒との関係性を深めたいと考えています。その方が生徒のメンタルが安定し、成績が上がり、満足度が高まるからです。

「こんなことまで電話する必要はないんしゃないか?」「頻繁に連絡しすぎると、塾からウザがられるかも」などと悩む必要はありません。塾側こそ親からの連絡を欲しているということを覚えておいてください。

このように塾と連携していれば、親が子に対して勉強面で話すことは一つだけです。「塾の先生との約束だけは守ろうね」という一言。これだけで、その子の成績は間違いなく上がります。

まとめ:早慶附属高校合格者に見られる親子関係の傾向

少し長くなってしまったので、上記をまとめますね。

子は親の写し鏡。親自身が勤勉な姿を示せば、子は何も言わなくとも勉強するようになる。
子への声掛けは大切。声掛けにより気にしてもらっているという意識が子に生まれ、子にとって居心地の良い関係性ができる。
塾への頻繁な連絡は重要。これができていれば、勉強面で子に伝えるのは「塾の先生との約束だけは守ろうね」だけ。

早慶附属高校合格者の親御様に共通して見られる傾向は、これら3つです。子・親・塾が三位一体となって、早慶附属高校合格を本気で目指していきましょう。